コンドームをしてなかった、危険日だった……などということがあるとなおさら不安になりますよね。
“きっと大丈夫だろう”という安易な気持ちで行った行為で、望まない妊娠をして傷つくのは、赤ちゃんと母体です。
まだ妊娠できる環境が整っていない方は、望まない妊娠を避けるためにも、“避妊方法”を一度見直してみませんか?
●実は完璧ではないコンドーム
避妊と聞いて日本で一番ポピュラーなものといえばコンドームですね。もしかしたら、そのほかの避妊方法をきちんと知っている人は少ないかもしれません。
そんな一番よく使用されているコンドーム、実は正しく使用していても2%の確率で妊娠してしまうことはご存知でしょうか。
しかも、正しく使用できていない人も多くいるため、それらを合わせるともう少し確率は高くなります。(妊娠してしまう確率が18%とともいわれていますよ!)
●避妊方法を効果が高い順に並べると?
避妊効果が高い順にご紹介します。かっこ内は理想的な使用による妊娠率、つまり避妊失敗率です。手術は一般的ではありませんが参考までにご紹介しますね。
1位)男性の避妊手術(0.1%)
パイプカットと呼ばれるものです。避妊効果は高いですが、再度妊娠を希望する場合、妊娠できない可能性も……。
2位)子宮内避妊システム(IUS)(0.2%)
日本で認可されている商品はミレーナというものです。子宮内膜症や子宮筋腫などがある場合は保険適応です。効果は5年間継続、ピルと違って飲み忘れの心配がないので楽です。セックスも違和感なく行えます。
女性主体でできて避妊効果も高いですが、まだまだ一般的にはなっていません。
3位)経口避妊薬(0.3%)
いわゆるピルです。女性主体で避妊ができます。普及しており、正しく服用すれば高い効果も得られます。
ただし、正しく服用していない場合は避妊効果が得られません。メリット、デメリット等ありますが、詳しくは以前のピルのコラムを参照してください。
4位)女性の避妊手術(0.5%)
手術で卵管を縛ったり、切断します。
5位)子宮内避妊具(IUD)(0.6%)
女性主体の避妊方法で、IUSよりも以前からあり、場合によってはIUSより安価です。
6位)コンドーム(2~18%)
男性主体の避妊方法となります。避妊方法の中で唯一性感染症の予防ができる方法です。破損や抜けてしまう、精液が漏れてしまう……というハプニングが起こることもよくあります。
●タイミング法は?
基礎体温を用いたタイミング法では避妊は確実ではありません。よく知られているオギノ式も、あくまでも生理周期が一定であることを前提とした方法です。
また、実は他にもいくつかタイミングによる避妊方法があり、それらを考慮すると、本当の安全日というのは実はないのです。
よく「今日は安全日だから」と安易な気持ちでコンドームなしでセックスする方を聞きますが、絶対にだめです。
基礎体温やオギノ式は“安全日”として使用するよりも“危険日”に重点を置いて下さい。 “危険日”の前後はセックスをしない、その方が確実です。
ラルーンでも妊娠のしやすさの目安が表示されているので、合わせてご活用くださいね。もちろん、危険日以外の日でもコンドームは必ずしてください。
●おすすめはコンドームとピルの併用
避妊効果の高いピルと、性病予防もできるコンドームを併用することがおすすめです。ピルだけでは性病予防はできない、そしてコンドームだけでは避妊効果が少し劣る……お互いのメリットデメリットを補ってくれる方法です。
ちなみに本当の一番は『セックスをしない』ことです。しかし、年齢や環境によってそれが現実的でない場合ももちろんたくさんあると思うのでそれぞれに一番合った確実な方法で行っていけるといいですね。
●避妊に失敗してしまった!!そんな時は
緊急避妊法として、よく聞くアフターピル。避妊がされなかった性交の後でも、72時間以内に内服し、妊娠率を75%程度減少させることができるといわれています。
100%ではないので、本当に緊急の手段となります。これをあてにするのではなく、最終手段として頭の片隅にいれておいてください。
保険適応外となるため、全額自己負担です。病院や使用する薬によってかなり価格に幅があり、3,000~20,000円程度となります。価格が心配であれば、事前に病院に問い合わせて確認してください。
いかがでしょうか?実は正しく使用しても妊娠する確率のある避妊方法もあるので、様々な方法を組み合わせることにより、避妊を確実にすることが大切です。
安心して安全に愛する人とセックスを楽しめるように、避妊はしっかりしましょう。
ライター 大山久美
某市立大学の看護学科を卒業。同大学病院の婦人科病棟で4年間勤務後、クリニックにて2年間勤務。看護師ライターへ。
得意分野:女性の病気、不妊治療など